●ホタルを目指して白鳥路を歩く
県外にはあまり知られていないイベントの一つが『白鳥路ホタル観賞の夕べ』。先日、さっそく見学に行きました。
白鳥路は金沢城外濠公園の石川門下から大手堀方向へ続く散歩道。『金沢白鳥路ホテル山楽』のHPによれば、「お堀には敵の侵入を察知するために水鳥を放していた事が白鳥路の由来」だそうです。白鳥路には、金沢ゆかりの三文豪(泉鏡花、徳田秋聲、室生犀星)をはじめ、様々な彫刻が設置されており、彫刻を楽しめる散歩道になっています。(画像提供:金沢市)
ホタル観賞が実施されるのは6月7日(金)から9日(日)、14日(金)から16日(日)の合計6日間の午後8時から9時半まで。ホタルの光を楽しむために、この間、ライトは消されます。
●光の正体はホタルかスマホか?
私たちは大手門から入るルートを選びました。道を歩いている分には、辺りがうっすら見えますが、水路近くは真っ暗。なかなかホタルが見つからないので、ただの暗闇です。そこでピカリと光るスマホの明かりに、何度、騙されたことか。
「ホタルなんていないんじゃないの?」そう文句をいいかけたところで、縦に動く光が、ポツンポツンと現れはじめました。まとめて5本くらいの縦線が現れることもありました。
「あそこにいる」「こっちだ」……。興奮気味にみんなが叫んでいます。子供や若者は水路の石に飛び移って、間近でホタルの鑑賞を楽しんでいました。自分は撮影しようとスマホを一生懸命、向けていたのですが、写真は暗すぎてシャッターが下りないし、動画は遠すぎたのか、1分取り続けて、真っ暗な画面に1ミリくらいの光がで2~3個映っただけでした。撮影は失敗しましたが、沢山のホタルに出会えて大満足でした。
というわけで、掲載した写真はイメージになってしまいました。
●市民の努力でホタルが自生
ところで、白鳥路の水路には、もともとホタルはいなかったそうです。昭和58年に始まった金沢市のホタルが住める環境づくりへの取り組みの一環として白鳥路でもホタルの幼虫の放流などが行われたそうです。ボランティア団体の保全活動などもあり、現在は放流しなくてもホタルを見られるようになったのです。こうした歴史もあり、毎年、楽しみにやってくる地元客が多いのでしょう。
一方、ホタル観賞をもっと楽しむために、ホタル観賞の前に「金沢3文豪」のホタルに関する描写の朗読会、ホタルの生態などの解説会も行われました。ホタルについての知識や教養が広がれば、鑑賞会はもっと楽しめそうです。来年は、解説会や朗読会にも、ぜひ参加したいと思いました。
ちなみに、6月28日(金)、29日(土)、7月5日(金)、6日(土)には、兼六園でホタル観賞会が開催されます。ホタルに会いたくなった方は、こちらにもぜひ!
兼六園ホタル観賞会のチラシ→コチラ