酵母の新鮮さに拘った金澤ブルワリーのビールの特徴は、華やかな香りを楽しめること。ビールの評判は上々で、これまで使用していた醸造所は手狭になり、2023年には能登半島に第二工場もつくりました。令和6年能登半島地震では設備が一部破損するなど、同社も被災しましたが、4月にようやく復旧。増産体制に入りました。近い将来、第二工場内に見学コースや試飲スペースを設ける予定だそうです。
金澤ブルワリーが誕生したきっかけは、前社長の鈴森由佳さんがカナダ留学で飲んだ一杯のビール。それは、ジュースのような味わいで、日本の大手メーカーの苦いビールしか知らなかった鈴森さんには衝撃でした。ビールは苦手だと避けていたのが一転、クラフトビールの奥深さにぐいぐいと引き込まれていきました。
カナダ留学中は様々な地域、様々な店、またビール関連のイベントにも顔を出し、カナダに根付いたビール文化をじっくりと楽しんできました。帰国後、改めてクラフトビール市場を意識すると、関東圏には、すでに多くのクラフトビールの醸造所が誕生し、国内外の様々なクラフトビールを出しているレストランやバーも増えていました。それに対して、石川県では、さほどクラフトビールは浸透していなかったし、金沢にはクラフトビールの醸造所もありませんでした。金沢の人たちにも、ぜひ、クラフトビールの素晴らしさ、楽しさを知って欲しいと思い、クラフトビールの醸造所を作りたいと考えたそうです
もちろん、醸造の知識はないので、まずは研修生の受け入れに積極的な東京のブルワリーで研修を受けました。他に研修生は7名。いずれもクラフトビールで地元を盛り立てたいという強い想いは共通で、非常に刺激になったそうです。お互いの醸造所を見学しあったり、イベントで再会したり、取引先の情報交換をしたり、現在でも交流が続いているメンバーもいます。 東京での研修中は、個性的なクラフトビールを扱う店を巡ったり、醸造の世界で知られている人に話を聞きに行ったり、積極的に情報収集もしながら、どんなビールを作るのか探っていったといいます。
こうした中で知ったのが、酵母の大切さ。新鮮で元気な酵母でなければうまく発酵が進みません。一方、様々な酵母をもてば、ビールの味の幅は広がります。そこで、酵母を自社培養することに決めたそうです。酵母に詳しい醸造の専門家に教わりながら、何とか自分で培養できるようになりました。現在では20種以上の酵母の培養が可能です。それが金澤ビールの深い味わいにつながっているのです。
アクセス
- 店舗名
- 金澤ブルワリー 金沢醸造所
- 住所
- 〒921-8173 石川県金沢市円光寺3-1-5
- 電話番号
- 076-201-0500
- 営業時間
- 月曜日~金曜日
9:00~16:00
- 定休日
- 土・日・祝
- 店舗名
- 金澤ブルワリー 能登島醸造所
- 住所
- 〒926-0216 石川県七尾市能登島曲町54-1
(のとじま水族館前)
- 電話番号
- 0767-84-0075
- 営業時間
- 月曜日~金曜日
9:00~16:00
- 定休日
- 土・日・祝